子宮頸けいがん検診について、正しく知って、検診へ行こう!

16号掲載(2026年発行)

かおりウィメンズクリニック院長 ●山本 かおり

〇 子宮頸がんとは

子宮頸けいがんは子宮の口元である子宮頸けい部にできる『がん』です。 子宮頸けいがんの原因のほとんどはHPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスで、HPV は性的接触により感染します。 HPVは200種類ほどありますが、『がん』に進行してしまう危険のあるHPV(ハイリスクHPV)は14種類くらいでそのどれかに感染し、ウィルスが長期間い続けることにより子宮頸けいがんになります。

ハイリスクHPV が感染しても90%の方は自分の免疫でウィルスを排除することができますが、10%くらいの方は異形成という『がん』の手前の状態を経て『がん』へと進行していきます。 子宮頸けいがんの初期には症状がないため、検診で『がん』の手前の状態を見つけることが大切です。 性的な接触をもったら20代でも定期的に子宮頸けいがん検診を受けることが大切です。

〇 子宮頸け いがん検診

子宮頸がんの検診は、内診台(①)という婦人科の診察では欠かせない台に乗っていただき行います。 足を大きく広げるため、恥ずかしくて嫌だなと思われることも多いです。

子宮頸がんになる部分は腟の奥にあるため、腟鏡( ② ) という器具で腟を広げます。緊張が強く、お尻に力が入ってしまうと痛くなってしまいますので、 できるだけリラックスすることが大切です。 腟の奥にある子宮の口元(子宮頸部)から専用のブラシ(③)で細胞を採取します。 5秒ほどで終わり、激痛を伴う検査ではありませんが、ブラシで擦るため、少し変な感じがあります。人によっては、痛みとして感じることもあるかもしれません。

検診は比較的簡単に終わりますが、日本での『子宮頸がん検診』の受診率は低く、2019 年の調査では、受診率は全体で43.7%、20代女性では26.5%と報告されています。

『子宮頸がん検診』は、市町村の『がん検診』、人間ドック、加入している健康保険の検診で受けることができます。 何かの症状で産婦人科を受診した際に、ついでに行うこともあります。 市町村の検診では1200円 〜 1500円くらいで受けることができ、20歳の方では無料のクーポンが来ることもありますので、自治体のお知らせはよくみておくと良いでしょう。 子宮頸がん検診は2年に1度受けることが推奨されていますが、長野県の多くの自治体では、希望すれば毎年検診を受けることができます。 ただ、がん検診を毎年受けていても『がん』を見つけられないことがあります。 それは、検診での異常の発見率(感度)は70%くらいで、およそ30%の見落としがあるからです。 そのため、最低でも2年毎に検診を受けることでこの見落としを拾い上げていくことが大切です。

今後は、この細胞診に変わり、より正確に調べることができるハイリスクHPV がいないかの検査(HPV検診)が主流になっていくかもしれません。 (検査方法は同じ)すでにHPV 検査を併用している市町村もあります。

擦過ブラシ(細胞をとるブラシ)
擦過ブラシ(細胞をとるブラシ)
クスコ腟鏡(膣を広げる機械)
クスコ腟鏡(膣を広げる機械)
内診台
内診台

〇 子宮頸がんを防ぐHPVワクチンを受けましょう

子宮頸がんを防ぐHPVワクチンは、性的接触を持つ前に接せっ種しゅすれば、90%くらい『がん』の発生を防ぐことができ、その効果は持続します。 ということは、最低でも2年毎に受けなければいけないがん検診自体も5年〜10年毎くらいに減らすことができるだろうと考えられています。 ワクチン接せっ種しゅをせずに異い形けい成せいや『がん』になると1年のうちに何回も内診台で診察をしなければならなくなります。 検診も大切ですが、ウィルスの感染自体を予防するワクチン接せ っ種しゅの重要性を今一度考えてみましょう。

〇 子宮頸がん検診以外の相談も… 婦人科のかかりつけ医を持ちましょう

『子宮頸がん検診』を受けて異常がなくても、他の婦人科の病気がないとは言えません。 子宮頸け いがん検診はあくまでも子宮頸部に異常がないかをみているだけの検査です。 日頃の生理の時の痛みや生理の量、生理前には具合が悪いとか生理じゃないときに出血する(不正出血)など不調がある時や気になる症状がある時は検診とは別に婦人科へ受診しましょう。 子宮や卵巣には子宮頸がん以外の病気もあります。 初経が来たら(生理が始まったら)、かかりつけの産婦人科を作ることをお勧めします。 また、当院では、月に1度、ユースクリニックを開催しています。 学校や家庭では相談しにくいこと、身体の悩みなど医師、看護師、助産師、心理士が無料で対応致します。 婦人科クリニックの見学やさまざまなワークショップも用意していますので、ぜひチェックしてみてください。

山本かおり <プロフィール>

profile

山本かおり (医師)
山本かおり

長野市松代町出身 長野県屋代高等学校卒業

趣味:コロナ禍になって始めた登山とマラソンで、2022年から毎年長野マラソンに参加しています。

2003年3月
兵庫医科大学卒業
同年5月
信州大学医学部附属病院 産科婦人科学教室で研修
2006年9月〜
伊那中央病院
2010年2月〜
長野赤十字病院・・現在は非常勤医師として飯山市、長野市、千曲市、安曇野市の病院で診療を行っています。
2025年9月~
イオンモール須坂で、かおりウイメンズクリニックを開業