キャッチアップ接種対象女性のみなさんへ
増田医院 小児科医 ● 増田英子
〇 HPVワクチン接種を逃した方のための制度があります
- HPVワクチン
- ヒトパピローマウィルスの感染を防いで、子宮頸がんなどを予防
- 接種対象者
- 誕生日が1997年4月2日から2008年4月1日までの女性
- 接種スケジュール
- ①標準スケジュールは、6ヶ月間に計3回注射
- ②短縮スケジュールは、最短で4ヶ月間に計3回注射(この方法については担当医と相談)
- 使えるHPVワクチン
- 2価ワクチン、4価ワクチン、9価ワクチンの3種類
- 実施期間
- 2022年4月から2025年3月までの3年間だけ
質問1:小学6年生から高校1年生までの女子対象の定期接種があるのに、高校2年生以上の女性対象のキャッチアップ接種が必要になったのはなぜですか?
⇒ 実は2013年から2021年までの約8年間、HPVワクチン定期接種のお勧め通知が届かない状態が続き、対象者なのに無料接種の機会を逃した女性がいらっしゃいます。そのため、国は高校1年生を超えても無料接種が受けられる救済措置を行うことにしました。
2022年4月からの3年間だけなので、2025年3月で終わってしまいます。接種をご希望なら遅れないようにしましょう。
質問2:キャッチアップ接種対象の女性ですが、2025年3月までにHPVワクチン接種を終えることができなかった場合は有料になりますか?
⇒ はい、2025年4月以降は有料になります。HPVワクチンの種類にもよりますが、3回接種なら約5~10万円もかかってしまいます。
〇 男性もHPVワクチンを打てます
このウィルスの感染が原因でおきるがんは、女性の子宮頸がんだけではありません。男性が感染すると、将来、のどの奥のがん(中咽頭がん)、肛門がんや陰茎がんなどになることがあります。
自分自身がHPVによるがんにならないために、そして大切なパートナーにウィルスを感染させないために、男性もHPVワクチンについて知っておきましょう。
2024年現在、男性へのHPVワクチンは有料ですが、数年以内に、女子と同じ対象年齢の男子も無料の定期接種になる可能性があります。
海外では多くの国で、女子だけではなく男子もHPVワクチンを公費で受けています。
増田英子 <プロフィール>
profile
小児科医師(長野市・増田医院)
長野市医師会会員