スペシャルインタビュー
検診って…なにするの?正しく知って、検診に行こう!
14号掲載(2024年発行)
長野市産婦人科 医師 ● 山本 かおり
この記事は作成当時の情報に基づいていますが、最新の医療情報やガイドラインとは異なる場合があります。治療に関する重要な決定を行う際は、必ず専門医や医療機関にご相談ください。
愛は子宮を救う実行委員会
〇 大人になったら子宮頸がん検診を受けましょう
『がん』という言葉を聞いた時、皆さんはどう思いますか?
『がん』は、治らない病気、高齢の方がなる病気・・そう思いますか?
そういった癌ももちろんありますが、子宮頸がんは、若くてもなる「がん」なんです!しかし、早期に発見できれば、死ぬことはもちろんないですし、子宮をとることもなく治すことができます。進行したがんの状態で見つかると、子宮を取る手術や放射線治療、抗がん剤治療などが必要になりますし、治療しても治らないこともあります。子宮頸がんを早期に発見するには、検診が大切なのです!
ではどんな人が子宮頸がんになるのでしょうか?
子宮頸がんの原因は、多くが、HPV・・ヒトパピローマウィルスというウィルスです!このウィルスはどこから来るのかというと、性的接触を持つことで感染します。ですので、性的接触を持つようになったら、がん検診をすることが大切になってきます。
私自身、初めて受けた子宮頸がん検診は、確か・・21歳くらいの時でした。月経は順調ながらも月経と月経の間に出血すること(不正性器出血)があったので、一度見てもらおうと思い、産婦人科を探しました。大学生だった時です・・初めての産婦人科・・できれば、女性の先生のところがいいと思い、口コミなどで調べて行ったのを今でも覚えています。
当時、女性の先生のクリニックは少なく、非常に混んでいて、いわゆる3時間待ちの3分診療でした・・機械的に、「特に異常はありません、がん検診もしておきました」・・異常がなかったのはよかったのですが、なんだか残念な気持ちで帰ったことを覚えています。そんな経験もあり、自分が産婦人科医として検診を行うときは、「産婦人科へ受診してよかった、検診してよかった」と思っていただけるように心がけています。子宮頸がん検診は腟の奥にある子宮頸部という部分から細胞を取ります。腟内を広げないと見えませんので、専用の腟鏡という器具を使用して腟をひろげます。緊張してお尻に力が入ってしまうとこの時点で痛くなりますので、できるだけリラックスしていただくよう声をかけます。きっと、この腟鏡がかかるのが嫌だと思われている方も多いことと思います。子宮頸部が確認できたら専用のブラシで擦って細胞を取ります。擦るのは5秒くらいと短く、激痛を伴う検査ではありませんが、少し嫌な感じはあります。子宮頸がんの検査自体はこれで終わりとなります。
一般的に、20歳から2年に1回定期的に受診することが勧められていますが、先にも述べたように、20歳より前に性的接触があれば検診は必要ですし、逆に、性的接触がなければ、子宮頸がんのリスクはほとんどないので、無理して検診を行う必要はありません。もちろん、月経痛や不正性器出血など気になる症状があるときには、我慢せずに産婦人科へご相談ください。各市町村で検診のやり方は異なりますので、自分の住んでいるところではどうなっているか確認してみましょう。長野市では、秋に日曜検診が2回あります!また、会社勤務であると会社の負担で検診が受けられることもありますし、人間ドックで行うこともできます。忘れないように自分の誕生月にされる方もいらっしゃいます。婦人科の内診台に上がるということがどれほどハードルが高いことかよくわかりますが、性的接触の機会が出てきたら、ぜひ、定期的な検診を受けるということを覚えておいてください。 長野県内子宮頸がん検診施設一覧
山本かおり <プロフィール>
profile

長野市松代町出身 長野県屋代高等学校卒業
趣味:コロナ禍になり始めたマラソンと登山・・登山では昨年、富士山に登頂。今年は北海道利尻山(百名山)にいく予定です!
03年3月 兵庫医科大学卒業
同年5月 信州大学医学部附属病院 産科婦人科学教室で研修
2006年9月〜伊那中央病院
2010年2月〜長野赤十字病院・・現在は非常勤医師として飯山市、長野市、千曲市、安曇野市の病院で診療を行っています。