子宮頸がんの特徴の1つは、他のがんに比べ若い世代に多いということ。最近では特に20~30代女性に増加傾向があります。
又、がんの原因が特定されていて、予防は”検診”。早期に発見すれば、命はもちろん、子宮を残して治療することも可能で、子供を授かることもできます。
子宮頸がんの特徴
子宮頸がんは、ヒトパピローマウィルス(HPV: Human Papilloma Virus)の感染により子宮の頸部にできる子宮がんの一種です。そもそも子宮がんは、子宮体がんと子宮頸がんに分かれ、子宮体がんは胎児を育てる子宮の内部(体部と呼ぶ)にでき、それに対し子宮頸がんは子宮の入り口(頸部と呼ぶ)にできるがんです。
子宮頸がんは子宮の入り口付近で発生するので、婦人科診察・検査で発見されやすいがんです。早期に発見すれば治療で治すことが可能で、発見が遅ければ死に至ることもあります。
国立がん研究センターがん対策情報センターによると、国内で年間約10,900人が子宮頸がんと診断されており、そのうち死亡者が約2900人(人口動態統計2014年)というデータもあります。
子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウィルスは、性交渉によって誰もが感染する可能性があります。性経験のある女性ならば人生で一度は感染すると言われています。通常90%以上は体内から自然に体外へ排除されますが、そのまま体内に残る場合は、子宮頸がんに繋がることがあります。
コンドームを使用することでヒトパピローマウィルスの感染リスクを減らすことができますが、完全とはいえません。
また世界的に見てもワクチンによって予防できるとされていますが、ワクチンによる後遺症を訴えているケースも報告されております。しかし後遺症との因果関係ははっきりしていません。
2022年4月より政府はHPVワクチンの勧奨を再開しました。また、ワクチン接種勧奨が中断されていた期間に接種されなかった世代への接種(キャッチアップ接種)を無料で行うことになっています。その権利のある方は必ず受けることをお勧めします。
しかし、HPVワクチンでは、接種後すぐに発生する発熱や頭痛などの全身症状や接種部位の腫脹などの副反応は起こりえます。アレルギー体質、体中の痛み、慢性疲労、起立性障害(起立すると動悸がひどくなる)などのような症状や注射に対する恐怖感のある方は、専門医に相談されてから接種されることをお勧めいたします。又、ワクチンを接種しても100%は防げることでもありません。
子宮頸がんになるまで
HPVはありふれたウイルスで女性のほとんどが一生のうち一度は感染すると言われています。また、感染しても約9割の人は免疫機能により自然に排除され、残りの一部が子宮頸がんとなります。
子宮頸がん検査方法
子宮の細胞の一部をとり、それを検査することでがん細胞の有無を確認します。
子宮頸がんの検査は、子宮細胞の一部を採ることでがん細胞の有無を判断します。膣からやわらかい棒状のものを挿入し、子宮の細胞を採取します。痛みや出血はほとんどありません。
婦人科で検診することができ、自治体によっては検診費の補助が受けられる場合もあります。検診に抵抗がある場合は、女性の医師、看護師のもとで検査を行う病院もありますので事前に確認して検診することをお勧めします。
子宮頸がんは一般的には進行のスピードが穏やかですが、できるだけ1年に1回の受診をお勧めしています。
子宮頸がん検診を受けるには
- 1.住民健診 自治体(市町村)が住民を対象にしている検診
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各自治体からの補助があります。
例:長野市 自己負担1,500円
(2009年から始まった無料クーポン検診 20・25・30・35・40歳) - 2.職場健診 企業が実施している検診
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健康保険組合などからの補助があります。
例:農協健保での婦人科健診 自己負担3,000円
- 3.自費検診 病院や健診センターなどで受診する検診
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受診施設・健診の種類によって異なります。
定期検診での早期発見が大切です!
日本は先進国では圧倒的に受診率が低い!
下記グラフが示すよう、日本は先進国の中で受診率がかなり低いことが分かります。当プロジェクトでは、女性の50%(2人に1人)の受診を目標にしていますが、例えこれが達成できたとしても、まだまだ先進国の中では低い値です。
子宮頸がんは早期発見が重要です。私たちは、毎年イベントを開催することで定期検診の重要性を発信し続けます。